【コラム2】ホームページは毎日更新、 一般企業の「普通」を病院でも

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 石心会が運営する川崎幸病院のホームページは、毎日2、3か所以上が更新されています。石心会法人事務局の地域医療推進室長として法人全体の広報を担当する鍋嶌氏は、「情報はタイムリーに、そして正確に載せることで意味を持ちます。その結果、毎日2、3か所を変えることになります」と話します。

オンタイムでの情報発信にこそ意味がある

 今やホームページを持たない病院はほとんどなく、受診先を探す患者にとっても、ホームページが重要な情報源となっています。とはいえ、「毎月更新するのは外来診療表の情報くらい」という病院もあるのではないでしょうか。

 鍋嶌氏は、「毎日更新と言っても、そんなに新しいがたくさん起こっているわけではありません。例えば、▼年度ごとの診療実績を新しいデータに変える▼入院する医師の経歴や顔写真を入職日に公開する――といったことをオンタイムでやっています」と説明します。

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 毎日2、3か所は情報更新しているホームページ(写真は採用ページにある医師インタビューコーナー)

 後者の「入職する医師の経歴などを入職日に公開する」ためには、経歴や顔写真などを入職日までに入手しておく必要があります。大手の広告代理店で勤めた経験を持つ鍋嶌氏は、「入職前に情報をそろえておくことは、一般企業では普通のことで、私は病院でもやるべきと主張してきました。その結果、川崎幸病院の山本晋院長と、埼玉石心会病院(埼玉県狭山市)の石原正一郎院長が今年(2018年)の元日に就任した際には私も出勤することになりましたが」と笑います。

医師招聘担当と連携した採用広報

 川崎幸病院のホームページは、患者に必要な情報を届けるほか、医師をはじめとする医療職の採用活動においても重要な役割を果たしています。病院の医師採用については医師招聘担当がおり、鍋嶌氏は、医師招聘担当の採用活動と連動してホームページ上にどのような情報を掲載すべきか、よく相談していると言います。

 「私が動線(ホームページ利用者がどのページをどの順番で回ったか)を分析し、医師招聘担当が、求められている情報を分析して、コンテンツを作ってきました。例えばシニアレジデントのインタビュー記事は、研修医が求めている情報について医師招聘担当と話し合って掲載しています」(鍋嶌氏)

 ホームページ上の情報を適時適切に更新する観点から、医師招聘担当自身がホームページを更新するためのシステムも導入しました。「医師招聘担当に限った話ではありませんが、現場の人が動きやすい広報環境をつくることも、広報の役割だと思うのです」と鍋嶌氏は話します。

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