今後は外部連携がカギ! 周術期口腔機能管理後手術加算からみえる 医科歯科連携は?

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 2018年度の診療報酬改定では、「周術期等口腔機能管理」の加算対象手術が拡大し、医科歯科連携がより重要となった。本加算は、周術期に適切な口腔ケアを行うことで、誤嚥性肺炎などの術後感染の減少や、化学療法中の口腔粘膜炎の軽減、それに伴う平均在院日数の短縮や抗生剤等投薬量の減量などさまざまな効果が報告されている。一方で、厚生労働省は、病院併設歯科では歯科診療報酬で請求する「周術期等口腔機能管理計画策定料・管理料」算定がかなり進んでいるのに対し、歯科単独病院や歯科診療所における同策定料・管理料の数字が極めて低いデータを公表している(図表1)。

【図表1】病院併設歯科と歯科単科病院、歯科診療所における各加算の算定状況



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 そこで、今回改定では外部との医科歯科連携を推進するために、歯科を持たない病院から歯科を標榜する医療機関へ、受診日の予約を行った上で患者を紹介した場合に算定できる「歯科医療機関連携加算2(100点)」が新設された(図表2)。

【図表2】「歯科医療機関連携加算2(100点)」の概要



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 今号は、各医療機関の歯科標榜情報も加味しながら、手術症例に対して外来から退院後までの一連における周術期口腔機能管理の可視化を行いたい。

周術期等口腔機能管理に関わる収益インパクト

 周術期等口腔機能管理は、外来診療からスタートし、入院中にとどまらず退院後の外来診療でも評価の対象期間となる。周術期等口腔機能管理計画策定料を算定した症例について、歯科医師が口腔機能の管理を行い、かつ、当該管理内容に係る情報を文書により提供した場合に、外来(管理料I)および手術または化学療法での入院中(管理料II・III)に算定可能な加算だ。対象手術症例が策定料および一連の管理料・衛生処置料を漏れなく1回ずつ算定した状況では、院内歯科標榜がある場合19,540円、院内歯科標榜がない場合11,000円の評価となる。重要なのは、各算定料を単発項目ではなく一連として捉えることだ(図表3)。

【図表3】周術期等の医科歯科連携に対する診療報酬・歯科報酬上の評価



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<分析条件>

データ期間:2019年4月~2020年3月
対象施設数:876病院(うち歯科標榜病院は 430病院)
対象症例 :251,281症例(うち歯科標榜病院該当症例は179,158症例)
全身麻酔かつ以下の術式実施の予定入院症例
①K082人工関節置換術(股関節)
②K082-3人工関節再置換術(股関節)
③「顔面・口腔・頸部」(K404~K471)の悪性腫瘍手術
④「胸部」(K472~K537-2)の悪性腫瘍
⑤「心・脈管」(K538~K628)中、「動脈」(K606~K615-5)と「静脈」(K617~K623-2)を除く手術
⑥「腹部」(K630~K753)の悪性腫瘍手術
K922造血幹細胞移植症例

 まず、対象症例における自病院の周術期口腔機能管理に関わる収益ポテンシャルがどのくらいあるのかを確認しよう(図表4)。全体の平均値は約500万円だったが、院内に歯科標榜あり病院群の平均値は約850万円、院内に歯科標榜なし病院群の平均値は約200万円。両者間の差異がかなり大きいのは、①一連の管理料等の金額合計に1.8倍の開きあること②後者は前者と比較すると病床規模が小さい病院が多くそれに伴い対象症例が少ないことに起因すると思われた。年間1000万円以上のポテンシャル病院は130病院。3000万円以上のポテンシャル病院が10病院。金額上位はがんセンター、特定機能病院、がん拠点病院が多い。

【図表4】対象症例における歯科周術期等口腔ケア加算一連ポテンシャル金額



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