「メディ・ウォッチ・ジャーナル」はこのほど、読者病院を対象にアンケートを実施。6回に分けてアンケート結果の分析結果をお伝えしている。3回目となる今回は、リハビリテーション部門について考察する。
リハビリテーション部門の状況に関するアンケート結果を分析していくと、療法士の人員数や生産性についていくつかの違いや傾向が見られた。こうした違いや傾向を確認するには、まずは他病院と比較した療法士の人員数や生産性の見える化が必要だ。自病院の状況を把握し、他病院と比較することで、リハビリ部門に求められているのは、療法士の人員数に関する問題なのか、生産性の問題であるのか、向き合うべき課題が明確になる。
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急性期病院では療法士はマンパワー不足?
近年、ADL(日常生活動作)向上、早期の在宅復帰に有用であるとの観点から、急性期のリハビリテーションは重要性を増している。2016年12月21日に開催された厚生労働省第342回中央社会保険医療協議会総会においても、2018年度診療報酬改定に向けた重点検討事項の中にリハビリテーションが挙げられている。今後の病院経営において、充実したリハビリテーションが提供可能な体制を構築することは、最重要論点の一つであると言えよう。
一方で、多くの急性期病院では療法士のマンパワー不足が訴えられている。厚生労働省医療従事者の需給に関する検討会の調査(2016年8月5日)によれば、現在、理学療法士・作業療法士が最も不足している現場として高度急性期が挙げられている。限られた療法士のマンパワーを最大限活用する為には、療法士が1日に提供できる単位数(以下、「生産性」と定義)を最大限に向上させること、すなわち「生産性の向上」求められる。
そこで、本稿では各施設からご提出いただいたリハビリテーションに関するアンケート調査・DPCデータ及び病床機能報告制度における人員配置データを用いて、リハビリテーションを充実するための取組みについて考察したい。
療法士の人員配置状況と生産性
薬剤部が関連する加算・管理料で、平均的にどの程度収入インパクトがあるのだろうか――。
まず、病床機能報告制度における人員状況とDPCデータにおける入院時のリハビリテーション提供状況を踏まえて、各病院の療法士の配置状況と療法士一人当たり月平均単位数を示す。分析条件は以下の通り。
【分析条件】
病床機能報告制度データ
2015年度届出情報から人員配置・届出病床に当たる情報を使用
「施設全体」情報における理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の常勤換算人数を「リハビリ関係スタッフ数」と定義
弊社にて各都道府県に対して情報開示の上、情報を取得
未回答もしくは情報が確認できなかった施設は分析対象外とした
DPCデータ
2016年4月~6月退院症例
上記期間に入院にて提供された運動器・呼吸器・心大・脳血管・廃用・がん・障害者リハビリテーション料の合計単位数から月間平均単位数を算定
逸脱症例(15歳未満症例・死亡症例)は分析対象外
療法士一人当たり月平均単位数が432単位以上の施設は除外(逸脱値と考えられるため)
図表1は、「100床当たりのリハビリ関係スタッフ数」を縦軸に、「療法士一人当たり月平均単位数(入院に限る)」を横軸に示したものである。
「100床当たりのリハビリ関係スタッフ数」の全病院平均は7.4人であり、「療法士一人当たり月平均単位数(入院に限る)」は239単位であった。それぞれ平均値を軸とした四象限に分ける、第1象限に位置している施設は限られた人員にもかかわらず、療法士一人当たり提供単位数生産性が高い施設であり、第4象限に位置している施設は、豊富なマンパワーを高い生産性で運用している施設である。一方、第2、3象限に位置している施設は生産性に課題がある施設と考えられる。
まずは、以下のリンク先にあるPDFに各施設の象限を記しているので、貴院の立ち位置を確認されたい。
以下のアンケート結果の続きは、アンケート回答病院のみ閲覧いただけます。アンケート回答病院は、本ページのPDF版(パスワードロックされています)をダウンロードいただき、メールにて送らせていただいたパスワードを用いてロック解除して閲覧ください。
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なお、今からでもアンケートにご参加いただければ、完全版のPDFを閲覧することが可能です。ご興味がある方は、アンケート用紙をご参照の上、アンケート回答フォームより必要事項をご記入の上で、送信いただきますようお願いします。
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