「メディ・ウォッチ・ジャーナル」はこのほど、読者病院を対象にアンケートを実施。今回から6回に分けて、集計したアンケート結果の分析結果をお伝えしていく。12月号でお伝えする初回テーマは、栄養部門と薬剤部門。本稿では栄養部門について考察する。また主要職種の人員アンケートの結果についても紹介する。
栄養部門の状況に関するアンケート結果を分析していくと、特別食加算および栄養食事指導料の算定率に大きなバラつきがあることが分かった。多くの病院で改善余地がある可能性が示唆されており、患者のQOLおよび医療の質向上の観点からも、改めて院内の状況を見直す必要がありそうだ。
◆アンケート回答病院用※閲覧にはパスワードが必要です
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アンケートは7月から9月にかけて実施。「メディ・ウォッチ・ジャーナル」の読者が対象で、DPCデータ以外での分析を実施することで、アンケートに参加した読者により有益な情報をフィードバックする。
アンケートは二部構成。まず、「栄養部門」「薬剤部門」「リハビリ部門」「手術室」「医療連携室」「医事課」の6部門における主な業務・体制等について質問した。続いて、病院基本情報と職種別職員数の調査で、部門や職種ごとの最適な人員配置を聞いた。
患者の食生活を見直す貴重な機会
アンケート分析の解説に入る前に、アンケートとは別に栄養部門に関係する分析を実施したので、その内容をご紹介したい。
医食同源――。病気を治す薬と栄養を摂る食べ物とは、本来根源を同じくするものである。日頃からの食生活に注意することは、病気を予防する最善の策と言える。また、ここで述べるまでもないことだが、入院における食事は「治療の一環」でもある。
在宅復帰や在宅医療が重視される昨今、入院患者の退院後を見据えた食生活維持・改善へのかかわりが益々重要になることは言うまでもないだろう。中でも、栄養士という専門家を通じた「特別食の提供」「栄養指導の実施」などの指導は、患者の食生活を見直す貴重な機会の創出になる。
そこで今回、読者病院における栄養指導実施率と特別食加算算定率の状況をプロットし、可視化を試みた。対象症例として、疾病特性として特別食、栄養指導対象症例が多い「心不全」を取り上げた。対象期間2015年10月~2016年3月。死亡症例を除外した539病院の2万1102症例が対象である(図表1)。
図表1は、①栄養指導実施率が高く特別食加算算定率が低い②栄養指導実施率が高く特別食加算算定率も高い③栄養指導実施率が低く特別食加算算定率も低い④栄養指導実施率が低く特別職加算算定率が高い――の4象限(エリア)に分けることができる(図表2)。読者諸氏は自院の立ち位置がどの象限(エリア)に位置しているのか、是非ご確認されたい。
繰り返しになるが、食事は患者の栄養状態を改善することでQOLを高め、医療の質向上にも貢献する重要な「治療」であり、すべての病院が②の象限(エリア)に入れるよう、何をすべきかを検討してほしい。また、すでにこのエリアに該当する病院でもさらなる改善を心がけていただきたい。
8つの視点で栄養部門もベンチマーク分析
それでは栄養部門の状況および人員アンケート結果について、以下の項目について分析内容を解説していく。
- 管理栄養士数
- 給食業務の委託状況
- 特別食加算の算定状況
- 栄養食事指導料の算定状況
- 糖尿病・透析予防指導管理料の算定状況
- NSTチーム数、NST1人当たり月平均残業時間数
- 人員アンケート結果
以下のアンケート結果の続きは、アンケート回答病院のみ閲覧いただけます。アンケート回答病院は、本ページのPDF版(パスワードロックされています)をダウンロードいただき、メールにて送らせていただいたパスワードを用いてロック解除して閲覧ください。
なお、今からでもアンケートにご参加いただければ、完全版のPDFを閲覧することが可能です。ご興味がある方は、アンケート用紙をご参照の上、アンケート回答フォームより必要事項をご記入の上で、送信いただきますようお願いします。
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