2020年度、コロナ禍に翻弄された病院経営。発熱外来やコロナ対応病棟での診療に人員を取られ、一部病棟(病床)を閉鎖せざるを得なかった病院も多いと思います。加えて、患者の受診控えや不要不急な手術の延期など病院の収入は数億円単位で減少しています。そんな中、院内では改めて「増収対策」「コスト削減」の号令がかかっているのではないでしょうか。
今回のワンポイントレッスンでは、後発医薬品の使用状況について分析します。皆さんの病院では後発品の切り替えは適切に進められているでしょうか?後発医薬品への切り替えは、係数対策(後発医薬品使用体制加算の届出)としての効果もありますし、DPCで包括になる医療資源投入金額を抑え、コスト削減・利益向上を推進する取り組みでもあります。この機会に改めて自院での取り組み状況を振り返り、さらに見直しの余地はないか確認してみましょう。
STEP1:「後発医薬品概観」によって全体感を把握
後発医薬品に関する分析機能は「係数分析」>「機能評価係数Ⅰ」の中にあります。DPC病院では、後発医薬品の使用状況(数量ベースの使用率)が機能評価係数Ⅰの中で「後発医薬品使用体制加算」として評価されるため、「係数分析」の中に機能を設けています。
下図は「後発医薬品概観」の分析画面です。まずは「月別後発医薬品使用率」で自院の状況を確認してみましょう。係数対策という点では、この指標が後発医薬品使用体制加算1~3の基準を満たしているかという点も重要です。(なお、病院ダッシュボードχでご覧頂ける後発医薬品の使用状況はすべて入院診療での使用分のみである点にご留意ください。後発医薬品使用体制加算は入外の合計数量に対して判断されます。)
下図は「診療科別 後発医薬品使用状況」です。院内のどこから議論を始めるべきか優先順位を付けるため、「対象医薬品総数量」や「対象医薬品総金額」を降順に並べ替えて「後発医薬品使用率」や「後発医薬品使用金額割合」を確認してみましょう。総数量(総金額)が多く、使用率(金額割合)が低い診療科が特に取り組みの優先順位が高い診療科の候補になります。早速、自院での状況を確認してみてください。
他院との比較も重要です。自院の後発医薬品使用率は高いのか、低いのか?また、それはなぜなのかを薬剤部や各診療科、関係委員会の皆さんと考えてみましょう。
なお、ここまでご紹介してきた「後発医薬品使用率」の定義はマニュアルに記載されています。集計対象となる医薬品の範囲などについて適宜ご参照ください。
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