データマイニング機能を拡充してついに始動! 分析者が知るべきデータの関連性

DBχワンポイントレッスン用見出し

 12月に病院ダッシュボードを刷新し、病院ダッシュボードχ(カイ)となりました。病院ダッシュボードは、旧システムと比較すると、ユーザビリティが格段に向上されており、DPCの全疾患のデータが閲覧できるようになったり、機能評価係数IIの分析が新たに加わったりするなど、大幅なパワーアップを実現しました。今回のワンポイントレッスンでは、主要な経営指標の状況を瞬時に把握できるトップページの見方について解説します。

 トップページを見ると、旧病院ダッシュボードの時には全画面表示をしても左右に空白がありましたが、χ(カイ)となって全画面に余すところなく表示されるようになりました。

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 画面を縮小しても、下記のように左端のメニューボタンで操作を続行することができ、同時に別ウインドウを開いても情報を把握できます。

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 画面右上の「設定」ボタンからは、現在提出しているデータの状況が分かります。最新のデータ提出状況だけでなく、過去データの月々の提出・計算状況についても、抜けている月がないかどうか、計算反映されているかどうかについても、DPC、外来レセプト、手術台帳などのタブを切り替えることで、データごとに状況を把握できます。なお、画面左上にある「HOSPITAL DASHBOARDχ」をクリックすれば、いつでもトップページに戻ることができます。

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 トップページでは、病院経営の主要な8つの指標について、データを提出した最新月の数値及びベンチマーク結果を示します。自院と同規模他病院と比較を行ったベンチマーク結果について、SからEまでの6段階で判定され、自院で優先して改善しなければならないポイントを把握することができます。

 もし、あらゆる手を尽くして患者を集めているにもかかわらず、トップページの指標に改善が見られない場合には、急性期病床数が多すぎる地域であることも考えられ、病床機能分化の必要性も検討する必要が出てきます。

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各指標(症例数、1日単価、Ⅱ超率)ランクの関係性から経営課題を推測する一案

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 最新月の指標の下には、シミュレーション分析があります。例えば、自院のランクが「B」から「A」などへワンランクアップした場合、収益がどれほど上がるのかを試算して示します。この試算は一つ上のランクの中央値の病院にあわした場合の一つの目安であり、経営課題の取り組み後の効果を見据えたアクションを取る際の参考にして下さい。

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 トップ画面の中段以降は各指標について、各月の変動を表しています。アクションを起こした結果、どのような変化が起きたのか月々の変化をとらえることに活用して下さい。

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 病院ダッシュボードχ(カイ)を活用することにより、
(1)経営状況
(2)経営課題
(3)改善状況

――の3つのステップで、経営改善の過程で欠かせない一連のデータを、瞬時に把握することができます。改善行動につなげる時間の確保にもつながりますので、是非、経営分析ツールを有効活用し、さらなる医療と経営の質向上にお役立てください。

解説を担当したコンサルタント 湯原 淳平(ゆはら・じゅんぺい)

yuhara 株式会社グローバルヘルスコンサルティング・ジャパンのコンサルティング部門マネジャー。看護師、保健師。
神戸市看護大学卒業。聖路加国際病院看護師、衆議院議員秘書を経て、入社。社会保障制度全般解説、看護必要度分析、病床戦略支援、地域包括ケア病棟・回リハ病棟運用支援などを得意とする。長崎原爆病院(事例紹介はこちら)、新潟県立新発田病院(事例紹介はこちら)など多数の医療機関のコンサルティングを行う。「週刊ダイヤモンド」(掲載報告はこちらこちら)、「日本経済新聞」(掲載報告はこちら)などへのコメント、取材協力多数。