病院ダッシュボードχには、データ分析の入り口の一つとして、症例数が多く、経営への影響が大きい疾患を取り上げた「おすすめケース分析」があります(関連記事『優先順位の高い経営課題をいち早く発見できる 「おすすめケース分析」を使いこなす』)。しかし、専門病院であったり、強みとする診療科や疾患に特色のある病院であったりするなどの理由で、おすすめケース分析の中に分析したい疾患がない場合もあります。
そこで今回は、急性気管支炎(15歳未満)のクリティカルパスの見直しを例に、おすすめケース分析で取り上げていない疾患の分析方法について解説します。
STEP1:検索条件を設定する
最初に左サイドの分析項目の上から2つ目にある「パス分析」の「全疾患」を選択します。おすすめケースの中に入っている疾患についても、「全疾患」から入って分析した方が、他病院との比較結果を把握しやすい項目もあります。
「全疾患」を選択したら、後は図表の吹き出しにある説明の順に操作してください。まずは在院日数や医療資源投入量など重要な経営データを確認します。
STEP2:改善すべき指標の見当をつける
以下が分析結果です。こちらのダミーデータの分析結果について、一例として見るべきポイントを吹き出しに記しました。実際は病院ごとに分析結果が異なりますが、ここでそれぞれの病院の改善すべき項目がどこなのか、ある程度の見当を付けます。
STEP3:ドリルダウンして、原因を見極める
改善すべき項目の見当を付けたら、具体的に何を改善すればいいのかを掘り下げていきます。投薬の項目であれば、見たい薬剤を選択し、以下の順に操作して分析結果を表示。「平均投与金額」、「平均投与日数」、「実施率」、「後発品使用割合」などを確認しましょう。
検査でも、投薬を同様に見たい項目に絞り込んで一つずつ確認していきます。
分析に時間をかけるのではなく、分析の結果で表示されたデータを元に、どのようなディスカッションを現場とすべきかに時間を割きましょう。そのためにも、分析結果のデータを柔軟に捉えてみて下さい。
データ分析に基づく診療行為の見直しが、現場を巻き込む経営改善の第一歩となります。