今号の特集では、ケーススタディとして、鼠径ヘルニア(15歳以上)を取り上げる。鼠径ヘルニアの手術は全国的に症例数が多く、パスで運用されているケースが多い。
DPC制度下において基本的に押さえておきたい部分、特に、在院日数のマネジメント(術式別、全身麻酔の有無別)、と医療資源の投入状況(術前検査実施の有無、抗生剤の投与状況)について分析を行った。
<分析条件>
データ期間:2019年7月~2020年6月
対象施設数:864病院
DPCコード 060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) 鼠径ヘルニア手術
-DPC対象病棟での入退院症例
-kcode
K6335:鼠径ヘルニア手術
K634: 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側)
-対象症例が1症例以上ある病院
術式の違いと全身麻酔の割合
近年の低侵襲性手術の増加に伴い、腹腔鏡下手術の方が圧倒的に多いと予想していたが、開腹手術54.2%に対して腹腔鏡下手術45.8%と、前者手術の方が若干ではあるが上回る結果となった(図表1)。
全身麻酔の割合は平均76.1%で、こちらも予想以上の高い数字だ。全身麻酔実施については、当科医師以外に麻酔科医師環境も大きく影響してくる中、全例実施か否かの二択ではなく、多くの医療機関では症例毎に麻酔を選択していることが示唆された(図表2)。
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