本稿の執筆段階(24年1月)では全貌は明らかになっていないが、2024年度診療報酬改定では、一般病棟用の重症度、医療・看護必要度(以下、重症度)が見直されることが決定しており、大学病院、専門病院、急性期病院まで幅広く影響を受けることになる。現在、重症度は「A得点2点以上かつB3点以上、A3点以上、C1点以上」のいずれかを満たす場合に該当する必要度該当患者数を分子とし、必要度評価対象者全数を分母として算出されているが、2024年度改定では「割合①:A得点3点以上、又はC得点1点以上を分子、必要度評価対象者全数を分母」と「割合②:A得点2点以上、又はC得点1点以上を分子、必要度評価対象者全数を分母」とする二段階の割合によって、入院基本料の基準が設定されることとなっている(図表1)。1月末に、急性期一般入院料1の場合、割合①20%、割合②27%が示された。計算式を見ても明らかなように、2024年度改定ではB項目がなくなるため、A2点B3点によって重症度を維持していた病院にとっては、割合①がハードルとなる。
A項目では救急搬送入院・緊急入院が、今まで5日間2点の評価であったが、2日に短縮すること、注射薬剤3種類以上からアミノ酸・糖・電解質・ビタミン等が除外されること、C項目では該当日数が短縮されることで、平均1pt以上重症度が低下する要因と試算されている(図表2)。3月上旬の告示のタイミングで改定項目の全貌が明らかになり、3月末の疑義解釈その1で不明瞭な部分が明確にされる。2024年度診療報酬から、医療DX対策として改定施行が6月となるため、重症度対応に余裕があると思われている病院もあるかもしれないが、あくまでシステム対応の遅れで不利益を被る病院を減らすことが目的であり、経過措置は通常通り9月末で終わる可能性が高く、6月から新制度対応をしていては手遅れになる。そのために、今から院内で危機感を共有するために本稿を活用して頂きたい。
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