薬剤総合評価調整加算、算定率1割以下95% 診療報酬改定対応:ポリファーマシー対策

leapJ_tokusyu

2024年度の診療報酬改定では、高齢者の「多剤併用問題(ポリファーマシー)」への対策がまた一歩進んだ。薬剤変更を評価する「薬剤総合評価調整加算」(退院時100点)の算定状況を分析した結果、算定率が10%を下回る病院は95%。ポリファーマシー対策に欠かせない加算を多くの病院が十分に算定できていない現状が明らかになった。本稿では同算定状況を可視化するとともに、貴院における算定ポテンシャルを確認する。自病院及び他病院の算定状況を知ることで、今後の算定拡大に向けての機会として頂きたい。

ポリファーマシーに関する2024年度診療・介護報酬改定概観と分析概要

高齢者は、複数の併存疾患を治療するため多数の医薬品を服用してポリファーマシーに陥りやすい状況にある。ポリファーマシーは、「単に服用する薬剤数が多いことではなく、それに関連して薬物有害事象のリスク増加、誤薬、服薬アドヒアランス低下等の問題につながる状態である」と定義される1。

厚生労働省では、2017年4月に「高齢者医薬品適正使用検討会」を設置しており、医薬品の処方を行う医師・歯科医師、調剤を行う薬剤師を主なターゲットとした「高齢者の医薬品適正使用の指針」(ガイダンス)を作成。これを皮切りに毎年、高齢者医薬品安全使用推進事業としてポリファーマシー対策を進めている。

2024年度介護報酬改定では、介護老人保健施設(老健)におけるポリファーマシー解消の取り組みを進めるため、入所前の主治医と連携して減薬する既存の枠組みに加え、施設入所中に薬剤を評価・調整した場合も加算の対象とした(図表1)。

図表1: かかりつけ医連携薬剤調整加算の見直し
「令和6年度介護報酬改定における改定事項について」より

図表1: かかりつけ医連携薬剤調整加算の見直し「令和6年度介護報酬改定における改定事項について」より

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