次期診療報酬が適用される2022年4月に向けて、2年に一度の診療報酬改定議論が始まっている。「Leap Journal」ではこれから数号にわたり、診療報酬改定の先読み分析記事を連載。初回となる本稿は、急性期病院の最重要要件の一つである「重症患者割合」を決める「重症度、医療・看護必要度」関連について解説する。
看護必要度Ⅱの次は「DPC別重症日数」の導入か
本稿では、これまでの議論の経緯を確認した上で、データ分析から改定の方向性を予測。各病院への影響度を示していく。
診療報酬改定は、前回の診療報酬改定議論の最後に出される「答申書附帯意見」を議論の軸とする。ここ数年の診療報酬改定時には、入院基本料に大きな影響がある看護必要度の方向性が毎回注目され、附帯意見にも含まれている(図表1)。
厚生労働省は看護必要度の検討において、「急性期らしさ」そのものを適切に評価する視点と、その病院別評価のばらつきを少なくする視点を重視している。特に病院別評価のばらつきを少なくするため、C項目が導入され、手術別の重症日数が固定された。
また、看護師による手作業での看護必要度の評価もばらつきにつながる。そのため、従来型の評価方法に加えて、治療行為そのものであるDPCデータを用いて看護必要度を評価する「看護必要度Ⅱ」が導入された。
次に考えられることは、DPC別の重症日数の設定ではないだろうか。DPC別重症日数の設定により、B項目の評価も不要となる。そのことから病棟看護師の業務軽減にもつながるという提案が予測される。
そこで本稿は、グローバルヘルスコンサルティング・ジャパンが保有するDPCデータ、Hファイルデータを用いて看護必要度Ⅱによる平均重症日数を算出。「Leap Journal」購読病院のDPCデータに平均重症日数を当てはめ、DPC別平均在院日数、症例数を用いて病院別重症度を算出した(図表2)。
<分析条件>
データ期間:2020年4月~2020年9月退院症例
対象施設数:820病院
対象症例:以下要件を満たす症例
-DPC病棟に入院した症例
「LEAP JOURNAL」は、会員制サービスです。会員の方は以下からログインしてください。「病院ダッシュボードχ」および「EVE」をご利用の方は、無料で会員登録できます(以下の「新規登録」からご登録ください)。