患者が多い?少ない?

MWJ_tubuyaki_eye

 全国各地の医療機関の経営を支援するGHCのコンサルタント。彼らが病院経営の現場で見聞きした興味深い情報をつぶやきます。

 ゴールデンウィークも明けて、昨年度の成績もまとまってきた時期です。

 「昨年度は、その前の年に比べて患者数が増えて〇〇円増収になりました」と収益面での報告があります。その「患者数が増えて」にどうしても加えていただきたい概念があります。

 それは『どんな患者?』です。

 予定/緊急、手術有/無、得意分野/不得意分野・・・

 ただ単に「患者増えた=万歳」ではなく、いわゆる、望んだ患者が増えたかどうか、が重要です。

 貴院が望む増患とは、どのような患者像ですか?

 地域に求められている貴院の役割は、前述した、予定/緊急、手術有/無などの中でどの組み合わせですか? 貴院にとって収益性が高い組み合わせはどれですか?

 そもそも、それらを把握されていますか?

 我々が病院を訪問する際には、オープンデータで得られる多くの情報を頭に入れます。財務状況を把握することはもちろんですが、患者数(総患者数、救急で入院した患者数)と病床数の割合、全身麻酔患者数と麻酔科医の割合、診療科と医師数の構成など多岐にわたります。それにより、今から訪問する病院がどのような得意分野を持っており、現状がどうなっているのか、ある程度把握できます。

 特定疾患の専門医師が多い病院において、救急患者が増えたから、という理由で一喜一憂しても何の意味もありません。むしろ、救急で忙しかったという言い訳を許容してしまうだけです。救急患者の目標が達したかどうかの把握は必要です。しかし、最もディスカッションして欲しいことは、予定入院のターゲット特定疾患がどれだけ増えたか否か、その理由はどうか、ということです。紹介元の件数が増えたかどうか、ターゲットとしている紹介元からの入院患者層の変化はどうか、そこをとことん掘り下げて分析をしていただきたいです。

 自院の得意分野はなんだろう?第三者はどう考えるかな?と思われた方は、一度是非、我々を呼んでください。

解説を担当したコンサルタント 冨吉 則行(とみよし・のりゆき)

snakamura 株式会社グローバルヘルスコンサルティング・ジャパンのコンサルタント。
早稲田大学社会科学部卒業。DPC分析、人財育成トレーニング、病床戦略支援、コスト削減、看護部改善支援などを得意とする。多数の医療機関のコンサルティングを行うほか、GHCが主催するセミナー、「病院ダッシュボードΧ」の設計、マーケティングを担当。若手コンサルタントの育成にも従事する。