ミッションとビジョンはとても重要!

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 病院は3月期決算が多く、早いところではもうそろそろ予算申請が始まります。

 さて、その予算は、毎年、中期計画の見直しや次年度目標を立案した上で検討されているでしょうか?また、その目標は、貴院のミッション、ビジョンに合っていますか?

 弊社は9月が決算期です。毎年、決算期が近づくと各部署のマネジメント層が集まり、日本の医療のこれからの環境を踏まえた上で、中長期的にどのような会社になり、どのように日本の医療へ貢献をしていくか、そして、そのためには次年度(10月から)はどのようなチャレンジを行っていくのか、2泊3日で徹底的にディスカッションをします。

 

 中長期目標の検討を行うにあたり、その目標が弊社のミッションとビジョンと照らし合わせて方向性が間違っていないか、必ず全員で確認します。もちろん、我々の日々のアクションは、常にミッションとビジョンを念頭に置いていますが、目標設定時には改めて、そこにブレがないか入念に確認します。

 

 (弊社のミッション・ビジョンはこちらです。ご興味がありましたら一度、ご笑覧ください。)

 以前、弊社のセミナーで、ある医療法人の事務の方にご講演をいただいたことがあります。その講演で院内の成功事例をお話された際に、「全職員が病院のミッション・ビジョンを何も見ずに言うことができるし、それに基づいて日々の行動を行っています」とおっしゃっていました。

 実際、この病院を訪問してみると、患者への対応はもちろん、我々のような出入りをする者に対しても、すべての職員がミッション・ビジョンと照らし合わせて、全くブレのない言動を徹底していることに驚きました。職員の方々にとって、それは特別なことではなく、意識せず自然と言動に出るほど、ミッション・ビジョンが浸透しているということなのでしょう。ここまでミッション・ビジョンが行き渡った組織は、医療の質はもちろん、経営においても、非常に強い組織になり得ると、強く感じました。

 現在、働き方改革が進む中、これからの組織のあり方について、どうしても経営者は「労働縮小」の思考へ傾きがちです。ただ、その前に経営者が検討すべきは、ミッションとビジョンに沿った医療提供ができているのか、そのため全職種がお互いに相互補完することで、より効率的・効果的なサービス提供ができないか――などではないでしょうか。これからの組織のあり方を検討する際には、改めてミッション・ビジョンの重要性を確認していただきたいところです。

解説を担当したコンサルタント 冨吉 則行(とみよし・のりゆき)

snakamura 株式会社グローバルヘルスコンサルティング・ジャパンのコンサルタント。
早稲田大学社会科学部卒業。DPC分析、人財育成トレーニング、病床戦略支援、コスト削減、看護部改善支援などを得意とする。多数の医療機関のコンサルティングを行うほか、GHCが主催するセミナー、「病院ダッシュボードΧ」の設計、マーケティングを担当。若手コンサルタントの育成にも従事する。