2016 年度診療報酬改定がいよいよ迫っている。病院ダッシュボードも新制度対応に向けた更新と新機能を開発予定だが、今回は先行リリースした2 つの新制度機能について紹介する。
内保連指数(特定内科診療)
DPC 病院群を決める実績要件「高度な医療技術の実施」には、今まで外保連(外科系学会社会保険委員会連合)が設定した手術指数の評価のみであったが、今回改定の要件から、内科系疾患の適正な評価のために内保連(内科系学会社会保険連合)が設定した特定内科診療が加わることになった。具体的には内保連が各学会と議論して定義された25の疾患について、下記指標にて相対評価することとなっている。
3A: 症例割合
( 対象症例数を総入院症例数で除した割合)
3B:DPC 算定病床当たりの症例件数
( 対象症例数を DPC 算定病床数で除した値)
3C:対象症例件数
それに伴い、病院ダッシュボードの機能でも「特定内科診療」の上記指標について、自病院の数値ならびにベンチマークでの立ち位置を把握できるようになった。
病院指標
また、現在検討事項であるものの、2017年度から機能評価係数Ⅱの保険診療指数の中で、「実績報告」の評価として新設される予定である「病院指標」についても、自動集計できる機能をリリースしている。指標自体は案ベースとして下記の7 項目が提唱されている。
1)年齢階級別退院患者数
2)診療科別症例数の多いものから3つ
3)初発の5大癌のUICC病期分類別ならびに再発患者数
4)成人市中肺炎の重症度別患者数等
5)脳梗塞のICD10別患者数
6)診療科別主要手術の術前、術後日数 症例数の多いものから3 つ
7)その他(DICの請求率等)
それぞれの指標は、提出しているデータの任意の期間を選択することができるため、毎回の集計の手間も省くことができる。指標自体は今後の議論の中で変更される可能性もあるが、このような、このような分析には手間をかけずに報告していただきたい。
最後に、2016年度診療報酬改定における具体的な経営への影響額を把握できる「収益シミュレーション機能」は、3月にリリース予定である。2月10日に予定されている「答申」で各項目の具体的な点数が分かり次第、早々に実装する計画だ。
また、分析項目は収入・入院期間・手術手技・材料といった視点で2014年度、15年度の症例が、新制度で設定された点数でどの程度の収入増減インパクトをもたらすかが試算できるようになる。ご期待いただきたい。