前回のワンポイントレッスンでは、新機能「地域連携分析」について解説したが、今回は「外来分析機能」と連動させた逆紹介方法を紹介する。
地域連携分析は、病院ダッシュボードχ(カイ)のベースパッケージに追加した新メニュー。別途、「地域連携データ」を提出していただくことで、DPCデータと紐付けを行い、「入院に移行した紹介患者」などの分析が可能になった。本機能は、(1)件数分析【図表1】、(2)入院移行分析【図表2】、(3)スコア分析【図表3】――の3つの分析から成り立っている。件数分析では、施設を区分することで、病病連携、病診連携それぞれの戦略を考えるための基礎情報を知ることができる。入院移行分析では、紹介件数のみならず、入院移行率、収益貢献等の可視化ができ、さらに多角的視点に基づいたスコアリングで自院にとっての「顧客」が明確になる。
この「スコア分析」で明確になった「顧客」に対しては、「外来分析機能」を活用して積極的な逆紹介を実施し、更なる連携強化を行いたい。以下でその具体的な手順を解説する。
ステップ1:急性期病院にとって初診割合が10%未満は、地域から新患が紹介されていないというイエローフラグ。まず現状を把握しよう。
ステップ2:単価階級分析で、1回受診に対する単価割合と外来収益の関係を把握しよう。図表5の例では、1500円未満症例(青)、3000円未満症例(緑)、5000円未満(黄)の症例が全体症例の35%(左側円グラフ)に対して、同階級の外来収益割合は約8%(右側円グラフ)。約30%の症例を地域の医療機関に逆紹介し、外来患者を減らしても、外来収益の減収インパクトは極めて限定的である。その分、手術などの入院診療に注力すべきであることを共有することが重要だ。
ステップ3:「スコア分析」で明確になった「顧客医療機関」と更なる連携を。逆紹介患者の対象は、急性期病院の外来で診療すべきか否かの判断になり得る指標(例:診療間隔、診療単価、疾患名等)に落とし込むこと。どんな疾患を自院に紹介してくれるのかを知り、顧客とWin-Win関係を強化した逆紹介を推進しよう。
現在多くのユーザーの皆様にアクセスをいただいている新機能の「地域連携分析」は、病院間で事例共有できるようにしていきたいと考えている。「こんな活用をした」「こんな使い方ができた」――といった成功事例を、是非、ご紹介いただきたい。