急性期病院の心臓部、ユニットを徹底分析
新機能〜病床機能(ER・ICU・HCU)〜

DBχワンポイントレッスン用見出し

 病院ダッシュボードχ(カイ)は、2020年6月に新オプション機能として「病床機能(ER・ICU・HCU)」をリリースしました。
 救命救急入院料(以下ER)、特定集中治療室管理料(以下、ICU)、ハイケアユニット入院医療管理料(以下、HCU)を算定する病床(以下3つをまとめ「ユニット」とする)は、いわば急性期病院の心臓部であり、生命にかかわる患者を絶え間なく受け入れる高度急性期医療の象徴です。
 診療報酬点数が非常に高額である一方、最も多くの医療資源が投入される病床でもあります。例えば、ICU病床1床は最大年間約5,000万円の入院収益ポテンシャルがありますが、ユニットを有効活用できない場合は大幅な赤字部門となります。よって、ユニットの病床数と運用の最適化は、病院経営に直結する重点課題となります。
 新オプション「病床機能(ER・ICU・HCU)」は、各ユニットの病床数と運用を最適化する分析機能です。今回のワンポイントレッスンでは、「病床機能(ER・ICU・HCU)」について、具体的な活用方法を解説します。

【図表1】新オプション機能 病床機能(ER・ICU・HCU)

STEP1:自院の現状を分析しよう

 まずは「現状分析」で、自院ユニットの現状を分析してみましょう。
 保有ユニット構成は病院によって様々であり、入室目的や疾患構成も異なります。例えば、ERとICUを保有する病院と、ICUとHCUを保有する病院のICU運用方法は異なります。他院とベンチマーク分析する上では、ユニット保有条件を一致させることが重要です。
 「病床機能(ER・ICU・HCU)」では、ER、ICU、HCUについて保有有無をそれぞれ選択し、同ユニット保有条件の施設をベンチマーク対象に選択することが可能です(図表2)。その他、診療科や疾患、DPCコードなどの分析条件を設定することもできますが、まずは保有ユニットの有無と年月を設定して分析してみましょう。

【図表2】ユニット保有ベンチマーク条件の設定

 分析画面では、「算定症例数/月」「入院料(管理料)収益/症例」「算定症例割合」「平均在室日数」の4つのモニタリング項目について、他院とベンチマーク比較することができます。図表3の例では、救急入院した症例におけるERの入室状況を示しています。

【図表3】現状分析 ベンチマーク

 ベンチマークグラフでは施設全体の入室状況を比較することができますが、詳細に分析する場合は、「詳細分析」の表で診療科別・MDC6別・DPC別・入院契機病名別・Kコード別にモニタリング指標を分析することが可能です。
 図表4は、救急入院症例における誤嚥性肺炎のER入室状況を示しています。ERの算定症例割合を比較すると、自院は他院よりも割合が低いことが分かります。さらに、入室ユニット症例割合の円グラフを比較することによって、他院ではどの疾患を、どのユニットに入室させているのかを把握することができます。
 「現状分析」では、対象ユニット(ER・ICU・HCU)や分析対象(術後、救急)などの条件を設定しながら他院と比較することによって、自院の立ち位置を把握することができます。まずは、他院と比べて運用状況に大きな違いがないかを確認してみましょう。

【図表4】現状分析 詳細分析・入室ユニット症例割合

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