先月の特集に引き続き、2022年度診療報酬改定の先読み分析を行う。今月のテーマは治療室の適正病床数だ。診療報酬改定の最大の焦点は昨今、急性期一般入院料1の施設基準となっている。患者の状態と医療提供側の業務負担を考慮した「重症度、医療・看護必要度」の項目重み付けが常に議論されてきたが、21年10月27日中医協総会に提出された「入院医療等の調査・評価分科会におけるこれまでの検討結果(とりまとめ)」では、高機能治療室(ICU・HCU・ER)の保有有無が「新基準候補」として取り上げられた。
一般病棟入院基本料の7対1と10対1は、2018年度診療報酬改定で急性期一般入院料(1~7)に再編され、看護師確保が難しい病院等が7対1から10対1に移行しやすくなった。22年度改定に向けては総合入院体制加算と同様の視点から、特定入院料の対象となる治療室(以下、ICU等)保有や救急車受け入れ台数、放射線治療、化学療法実施件数等が、急性期一般入院料の新たな施設基準候補に挙がっている(図表1)。
今回、22年度改定の施設基準にICU等が入った際の各病院の立ち位置を可視化すると同時に、新型コロナ感染症時によるICU等の稼働率変化、臨時的取り扱いで設置されたICU等の今後を検討する機会としたい。
<分析条件>
1)稼働病床数&医療資源病名別症例数の年度比較
データ期間:2019年11月-20年1月退院/20年11月-21年1月退院の入院DPCデータ
対象病院数: ICU等に入院した576病院331,595症例
稼働病床数:「ICU等の延日数」を「ICU等入院料を算定した期間の日数」で割って算出
2)必要病床数と稼働病床数の差比較
データ期間:2021年4-7月退院の入院DPCデータ
対象病院数:DPC対象病床(ICU等含む)に入院した854病院1,800,303症例
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