2月7日に2020年度診療報酬改定の答申(点数公表)が発表された。今回改定の基本的視点は下記4点だ(図表1)。
Ⅰ. 医療従事者の負担軽減、医師等の働き方改革の推進
Ⅱ. 患者・国民にとって身近であって、安心・安全で質の高い医療の実現
Ⅲ. 医療機能の分化・強化、連携と地域包括ケアシステムの推進
Ⅳ. 効率化・適正化を通じた制度の安定性・持続可能性の向上
今回は、医師等の働き方改革推進の中で注目されている薬剤師の業務を取り上げる。安心・安全医療促進に向けての薬剤管理指導料算定状況、医療の質にも直結するハイリスク薬に関する指導料算定状況、最後に多剤併用に対する減薬を評価する薬剤総合調整評価加算算定状況について紹介する。
<分析条件>
分析期間:2019年4月~2019年10月
対象施設数:838病院(対象症例が1症例以上の病院)
除外症例:DPC外病棟直接入院症例。薬剤未使用症例。
薬剤管理指導料算定率×薬剤管理指導料算定率
まず、薬剤管理指導料算定率(対象症例に対する薬剤管理指導料の算定症例割合=平均66.9%)と薬剤管理指導料算定機会率(一般病棟入院基本料等算定日から入院日数を算出し、7日に1度を機会数として算出した回数に対する薬剤管理指導料の算定割合=平均48.8%)を通じて各医療機関の立ち位置を確認しよう(図表2)。
(第1象限)算定率・算定機会率共に平均以上:病棟単位・疾患単位に落とし込み更なる算定に結び付けたい。
(第2象限)算定率は高いが算定機会率が低い:2回目以降の算定強化に向けて症例の抽出方法等を確認したい。
(第3象限)算定率・算定機会率共に平均以下:マンパワーの問題も一因だろうか。まずは症例数を増やして指導が提供できるよう算定率向上を目指そう。
(第4象限)算定機会率は高いが算定率が低い:特定症例に対して深くかかわっている。初回の情報収集・指導記録等を工夫して新規症例に広げたい。
年換算増収ポテンシャルベンチマーク
図表3は、未算定回数分をすべて薬剤管理指導料2を算定した場合の年換算増収ポテンシャルを示している。平均で2,600万円、1億円以上のポテンシャルがある医療機関も存在する
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