働き方改革に向けて ~医師事務作業補助体制加算・地域医療体制確保加算~

leapJ_tokusyu

医師の負担軽減に効果があるとして、診療報酬改定で「医師事務作業補助体制加算」は毎回評価が上がっており、2022年度は全体的に約1割ずつ基礎点数がアップした(図表1)。また、加算1では医師事務作業補助者が勤務時間の8割以上を病棟もしくは外来で勤務しなければならないという施設基準が、当該保険医療機関における3年以上の医師事務作業補助者としての経験を有する者が配置区分ごとに5割以上配置されていることとされた。勤務場所の制限がなくなったことで、病院内の健診センター、訪問診療の現場など、病棟、外来という枠に収まらない場での活躍が期待されている。同時に医師の負担軽減のためには定着する医師事務の育成が重要ということが制度化されたといえよう。医師事務作業補助者の数を揃えるだけでなく、配置場所、業務内容、そして育成をどのように工夫するかにより医師の負担軽減効果が変わってくる。また、医師労働時間短縮計画の作成を追加したことで、点数が100点アップした「地域医療体制確保加算」も働き方改革を進めるためには対応が必須となる。

2024年4月1日から医師の働き方改革として、勤務医にも時間外労働の罰則付き上限規制が適用となるため、医師の負担軽減対策に様子見の時間は残されておらず、他病院の加算算定の取り組みを参考に、残り1年半の参考として頂きたい。

図表1 2022年度診療報酬改定 医師事務作業補助体制加算(厚労省資料抜粋)
図表1 2022年度診療報酬改定 医師事務作業補助体制加算(厚労省資料抜粋)
図表2 2022年度診療報酬改定 地域医療体制確保加算(厚労省資料抜粋)
図表2 2022年度診療報酬改定 地域医療体制確保加算(厚労省資料抜粋)
<分析条件>
分析期間
2021年度:2021年4月~2022年3月
2022年度:2022年4月~2022年8月

施設数
21年度データがある956施設
22年度データがある810施設

分析対象
上記の両分析期間に、入院かつ退院した症例が1症例以上いる施設
分析期間中に算定した加算は上位加算を当該年度での算定加算と定義した

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