2月に厚生労働省から平成29年度DPC導入の影響評価に係る調査「退院患者調査」の結果報告が公開されました。
病院ダッシュボードχのマーケット分析では、3C分析(自病院・市場・競合)を行うことが可能です。その競合分析と市場分析において同公開データを用いていますが、今回のデータからパワーアップした機能を追加しましたのでご紹介します。
STEP1:最新のデータで自院の立ち位置をチェック
「マーケット分析」>「3C分析・市場」>「俯瞰マップ」から検索をします。
まずは、市場(初期設定は二次医療圏)の中での自病院の立ち位置を最新データで可視化します(図表1)。
次いで、それぞれの項目が市場として伸びているのかどうか、確認をします(図表2)。市場が伸びている中で自病院が苦戦をしているのか、それとも市場は伸び悩んでいる中で自病院がシェアを伸ばしているのか、を確認することで、自病院の戦略が成功しているか否かが判断できます。「表示対象」を確認したい事項に変更することで、上下のグラフも変動します。
STEP2:自院の問題点を分析する
本データは、公開データを用いていることから、実病院名で表示されます。実病院名が分かることのメリットは、「あの病院は、〇〇科の医師が充実したから…」など、自病院で把握している周囲病院の状況と発表された数字が連動しているかどうかがわかることです。自病院の戦略が周囲の病院と競い合ったうえで優っているか否かの判断材料になります。
まず、全体像を把握したうえで、次に詳細に分析を進めていきましょう。
例えば、図表3のような条件を設定すると、「大腸・結腸がんの消化器外科領域の手術」を検索することができます。過去も含めたDPCコードの知識が若干必要ですが、「ぽんすけ」などで簡単に探すことができるので、各疾患単位でチャレンジしてみましょう。
図表3の条件を検索した結果が、図表4となります。データの読み方は俯瞰情報と同じです。
・市場全体が伸びているか否か
・その中の自病院/他病院の経年的な動きがどうか
・戦略が成功しているか否か
・データが伸びている病院はどの様なことを行っているのか
を検討したうえで、自病院の「次」につなげていきましょう。
マーケット分析機能のうち、「3C・自病院」はDPCデータを利用しているので、分析結果が毎月更新されますが、「3C・競合」「3C・市場」は厚生労働省公開データのために年1回の更新となります。しかし、上記のように詳細に絞り込み、各診療科の戦略を立てていく際には非常に有用な機能です。
是非、各診療科と作戦会議を開催して、機能を使い込んでご活用ください。