2020年度機能評価係数IIの他病院係数内訳については、例年DPC評価分科会で公表されるため6月を待たなければならない。本紙を分析、執筆している5月段階においては全病院の機能評価係数II情報が揃っていないため詳細比較はできないが、各係数の特性を踏まえて発表直後から対策を講じることは可能だ。
今回改定での機能評価係数II定義は、地域医療係数についてマイナーチェンジが行われたのみで大幅な変更は行われていない。しかし、DPCコーディングの事務効率を高めるために診断群分類の整理が進んでおり、20年度診療報酬制度改定によって診断群分類名が9.1ポイント(約1割)減少している。本特集では、以下2点について検証した。
1. 当該DPCの副傷病分岐の消失とDPC期間の変更により、DPC別で見た際の在院日数が長くなってしまっていないか。
2. 副傷病分岐の変化により、年間12症例以上のDPCコードが減少していないか。
<分析条件>
2019年4月~2019年9月退院症例、884病院
ほとんどの施設では入院尺度が0.03~0.04延長した
効率性係数が評価している各病院の相対的な平均在院日数への影響を調べるために、「入院尺度」という指標を用いて分析を行った(図表1)
2年毎の診療報酬改定では点数・入院期間の設定が行われ、各DPCコードの期間日数は概ね短縮してきている。19年時点での在院日数を維持した場合、病院全体の入院尺度は0.03から0.04伸びていた(図表2)。各病院がクリティカルパス作成の参考としている期間II日数をもとに在院日数を見直した場合、DPC制度の常で自病院の在院日数上の立ち位置は悪くなる。ただし、病院の疾患構成によって影響度が異なり、それによって検討の優先順位が異なってくるため、自病院への影響を知る必要がある
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