1年の成果

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 全国各地の医療機関の経営を支援するGHCのコンサルタント。彼らが病院経営の現場で見聞きした興味深い情報をつぶやきます。

 昨年度の貴院の成果はいかがだったであろうか?病院内において「1年の成果」を検証し、報告して欲しい。成果検証を行うためには、目標を設定し、進捗管理を行い、そして最終的な判断を行わなければならない。

 DPC対象病院にとって、係数は非常に重要な指標です。機能評価係数IIは、毎年の「病院の通信簿」にもなりますので、経営幹部をはじめ、貴院でも一喜一憂されたことでしょう。私は、この通信簿を「へぇ~」で流さず、病院全体の重要指標として、大げさなくらいに取り上げていただきたいと考えています。

 前回の「つぶやき」では、機能評価係数Ⅱは「病院の成績表」であることを書いた。病院では係数だけでない様々な目標が必要である。最終的には損益計算書に反映されるか否かが重要でその総括責任者は院長、事務長だ。そのプロセスとして、各担当が1日単価や各種加算、コスト削減などの項目の責務を負うことになる。

 この様なことを書いている理由の一つは、必ずしもすべての病院で目標が明確になっておらず、各担当に責任が課されたうえでの成果検証が行われていないように見受けられるからだ。経営成績が良い病院ほど責任が明確で検証が十分に行われている。

 さて、新年度。以下の3点を実行してより良い病院経営を目指してほしい。まずは目標を設定し、責任担当を明確にすること。その目標を四半期単位で良いので、責任者から報告する機会を設けること。数字の羅列を読み上げるのではなく理由を大事(進捗が良い理由/悪い理由を明確に)にすること。

解説を担当したコンサルタント 冨吉 則行(とみよし・のりゆき)

snakamura 株式会社グローバルヘルスコンサルティング・ジャパンのコンサルタント。
早稲田大学社会科学部卒業。DPC分析、人財育成トレーニング、病床戦略支援、コスト削減、看護部改善支援などを得意とする。多数の医療機関のコンサルティングを行うほか、GHCが主催するセミナー、「病院ダッシュボードΧ」の設計、マーケティングを担当。若手コンサルタントの育成にも従事する。