3月4日、厚生労働省から関係告示の公布・通知の発出があり、ついに2022年度診療報酬改定の全容が明らかになった。
2022年度診療報酬改定の基本方針
Ⅰ.新型コロナウイルス感染症等にも対応できる効率的・効果的で質の高い医療提供体制の構築(重点課題)
Ⅱ.安心・安全で質の高い医療の実現のための医師等の働き方改革等の推進(重点課題)
Ⅲ.患者・国民にとって身近であって、安心・安全で質の高い医療の実現
Ⅳ.効率化・適正化を通じた制度の安定性・持続可能性の向上
今特集は、重点課題であるⅠに該当する「入院医療の評価」の中でも、入院収益の根幹をなす入院基本料の算定基準である「重症度、医療・看護必要度」について解説する。
まず、評価項目・基準値・届出要件の変更内容を確認しよう(図表1~3)。
まとめると
■評価項目変更点はA項目のみで以下3点。
1. A4:心電図モニターの管理の項目を廃止
2. A3:点滴ライン同時3本以上→注射薬剤3種類以上へ
3. A6:輸血や血液製剤の管理の項目評価を1点→2点へ
■基準値
急性期一般入院料1の看護必要度Ⅱ基準値
200床以上:29%→28%に
200床未満:29%→25%に
■要件化
200床以上の急性期一般入院料1の場合、必要度Ⅱでの届出
◆重症度、医療・看護必要度に係る基準(変更なし)
・A得点2点以上かつB得点3点以上
・A得点3点以上
・C得点1点以上
今号は、重症度評価から心電図モニター管理が削除されたという、これまでにない大胆な見直しに対し、各病院での影響を可視化するとともに、今後の急性期病院に求められている医療の在り方を改めて考えたい。
<分析条件>
データ期間:2021年10~12月退院症例
対象病院数:823施設
分析対象:急性期一般病棟のみ
分析除外
・退院日
・特定入院料(ユニット)算定日
・15歳未満
・短期滞在手術3
本稿は、「A項目に特化した分析」で、各病院のB項目・C項目のデータ分析は行っていない為、いわゆる、届出条件の「重症度割合」とは異なる分析となる。
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