粗利の視点でみる病院経営改善 ~粗利分析~

DBχワンポイントレッスン用見出し

 病院ダッシュボードχは2019年12月に「DPC俯瞰マップ」の新機能として「粗利分析」をリリースしました。収益や1日単価が増加していても、費用がそれ以上に増加すれば経営改善は成立しません。粗利分析では、収益から薬剤費と材料費を除いた「粗利」を分析することで、病院の収益性や利益率の高い疾患を把握することができます。今回のワンポイントレッスンでは、新機能「粗利分析」について、具体的な活用方法を解説します。

【図表1】新機能 粗利分析
fig1

 ▶DPC俯瞰マップ > 粗利分析

STEP1:粗利とは?

 薬剤や医療材料価格が高騰するなか、収益は年々増加傾向なのに赤字額は減らない、という病院は少なくありません。収益の高い疾患が増加したとしても、費用がそれ以上に増加すれば経営改善は成り立ちません。そこで重要となってくるのが「粗利分析」です。

 一般的に、粗利とは売上高から変動費を差し引いたものを指します。病院会計では、売上高は収益と呼び、変動費は薬剤や医療材料を含んだ材料費とする場合が通常ですので、粗利は以下の式で定義されます。

 粗利=収益-材料費(薬剤・医療材料含む)

 例えば、不整脈に対するカテーテルアブレーション治療(050070xx01x0xx, 頻脈性不整脈 経皮的カテーテル心筋焼灼術 手術・処置等2なし)の場合、入院収益は約200万円となりますが材料費が約130万円ですので、粗利は平均60-70万円となります。

 粗利からさらに人件費や諸経費などを差し引いたものが利益となりますが、ここまで計算する場合は原価計算が必要となります。経営改善を目的とした細かい原価計算を実施している病院もありますが、よりスピーディーかつ分かりやすく経営判断をするためには粗利分析は非常に有用なツールと言えるでしょう。

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